[目次]
過去回想編です。今回は専門学校編です。
前回の記事はこちら。
ogichangs-thinking.hatenablog.com
前説
2016年秋。青年は東京都渋谷区は千駄ヶ谷にいた。
「専門学校 東京ネットウエイブ(現 東京クールジャパン)」、オープンキャンパス当日のことである。
新たな可能性
高校3年生の秋。進学校の受験生ともあらば、とっくに志望大学を定め、センター試験(当時)及び二次試験のための準備を行っている頃である。
その機運は高校生活にも如実に現れていた。受験生はとっくに部活を引退した(俺なんかは春の時点で引退していた)。授業では、高校までの学習範囲を終わらせてひたすら演習をしている教科すらある。放課後の校舎や図書室・自習室は、夜遅くまで明かりが付いている。
100人中100人が大学進学を志すような環境において、それ以外の選択など無いに等しかった。
……一方その頃のオギ青年はというと。
前述したとおりに「抜け殻」になっていた。
部活動、文化祭などの行事は既に終わった。勉強は碌にしてこなかったせいで何も分からない。そのクセに学校をサボるような勇気はない。惰性で登下校を繰り返しているような状況だった。
正直に言おう。この時期は高校の卒業資格を得ることだけを考えて登校していた。
勉強も部活も上手くいかず、ただただ鬱屈とした思いを2年半以上抱え続けて、このザマである。当然、心が死んだ。この時期から、保健室の先生のカウンセリングをそこそこに受けるようになった(それまでの高校生活でも、カウンセリングまがいのものを受けてはいたのだが、今回は多少本格的なヤツ)。思えばこの時から今に至るまで、環境は変われど、ずっとカウンセリングのお世話になってたんだなぁ……。
何回目かのカウンセリングの時。進路についての話になったときに、保健室の先生からある助言を頂いた。
「専門学校に進学するもの1つの手だよね」
心底驚いた。仮にも進学校に勤める先生が、4年制大学以外のところを進路として進めてくるとは……! 話によると、過去に私の高校から専門学校に進学した先輩がいたとのこと。
これを聞いたとき私は「あれ? 専門学校ワンチャンあるんじゃね?」と思った。私はこの時既に、(漠然とだが)工学系の大学に進学してプログラミングの勉強をしたいと考えていた。これからのIT社会を見据えた時に、ITエンジニアは絶対に食いっぱぐれないからだ。
もしコンピュータ系の専門学校に通えば、大卒の人よりも2年早く、即戦力として就職できる。それに、大抵の専門学校は筆記試験がないから、高校の勉強ができない俺でも入学はできる。
……まあ、こういうとこはどこまでも打算的だった。
こうして専門学校にワンチャンを見出した俺は、早速コンピュータ系の専門学校について調べるのであった。
オープンキャンパス
ざっとコンピュータ系の専門学校について調べていたとき、「東京ネットウエイブ」という学校を見つけた。何やら面白そうなホームページをしているし、立地も悪くない。というわけで資料を請求した。資料が家に届いたとき、親にはそこそこ問い詰められたが。
オープンキャンパス当日。受付にてメンバーズカードを受け取り、体験授業を受けることになった。
体験授業では、簡単なコードを打ち込んでミニゲームを作るといったことを行った。勿論、普通の高校ではプログラミングなんてやらないので、とても新鮮に感じた。
そんなわけであっという間にオープンキャンパスが終わった。
だが、何かが違った。あまりにも抱いていた幻想と乖離していた、と言った方が正しいのだろう。とにかく、内容が薄く感じた(だからなのか、オープンキャンパスの記憶があまりない)。
もし専門学校に入学すればプログラミングを専攻できる。しかし、裏を返せばそれしかできない。校内には普通の学校のような活気が無いし(個人の所感)、当然サークルなんてモノもない。本当にプログラミングに関することだけを学ぶ場所なのだ。
更に、仮に入学したところで在籍期間は2年間。その間に専門的な知識を詰め込まなければならない。それに1年生のうちに就活をしなくてはならない。意外と時間にシビアなのだ。
それが分かった途端、急速に熱が萎んでいった。我ながら単純である。この日を境に「行くとしても4年制大学だな」と思うようになった。まあ、悪くない経験ではあったのだが。
後日
その後、オープンキャンパスの感想を保健室の先生に話した。しかし、問題が解決したわけではない。「専門学校」という選択肢を消した以上、4年制大学入学に向けて努力をする必要があった(もとより就職は考えてない)。今から努力しても、大学進学を目指すには絶望的な学力。それでも、相変わらず勉強に対するやる気は出なかった。
――時は流れ、2017年3月。受験した大学全てに落ちた。
次回、予備校編へと続く……。