オギの備忘録

やあ、私の名はオギだ。何かを発信したかった。ブログを開設した理由はそれだけで十分さ。

「新世界より」を読んで

 かなり面白かったです(小並感)。

 

【目次】

 

概要

 本作は、現代文明が何らかの形で滅んでから1000年後の日本が舞台になっている。文明レベルは大きく後退してしまったが、人々は神の力とされる「呪力」を身につけ、他の生物への優位性を確保しつつ人生を謳歌していた。ここで言う呪力とは「人知を超えた力」とでも言うべきか。物を自在に動かしたり、物の形を変えたり……。状況に応じて何でも実現することの出来る力の源である「呪力」は、人間だけが持ち得る、まさに「神の力」としか言いようがない。

 しかし、とある事件をきっかけに、主人公たちは世界の真実に気が付いていく……。

 

 本作は、そんな世界で生まれた主人公「渡辺早季」の一人称で展開されていく。文庫本版は上・中・下の3部作でページ数は1400以上になる。まさに長編SFである。

 

感想

 文庫本版にして1400ページ越えのボリュームもそうだが、内容も「圧巻」の一言に尽きる。

 本作の特徴の1つとして、造語による固有名詞が大量に出てくる。上巻最初の10ページだけでも「ミノシロモドキ」だの「神栖66町」だの「バケネズミ」だの、ネット検索しても全く分からない固有名詞が頻出する。正直ここで本書を読むのをやめたくなる気持ちも分かるが、是非とも文庫版上巻229ページまで読んでみてほしい。「呪力」とは何か。この世界がどのような過程を辿ってきたのかが解明し、その勢いのままに中巻、下巻まで読み進めることができるからである(と解説には書いてある)。

 

「呪力」という神の力、空白の1000年間、改変された常識、そしてこの世界の真実とは。

 常人には到底思いつくことの出来ない発想と展開に触れられる、数少ない作品だと私は思っている。

 是非読んでほしい。というか読め。活字が無理だったらアニメ版もあるから見ろ。以上。