オギの備忘録

やあ、私の名はオギだ。何かを発信したかった。ブログを開設した理由はそれだけで十分さ。

Z世代の俺がZ世代を分析する本を読んだ

 不定期に訪れる読書報告です。今回はZ世代に関する本を読んだ感想を適当に書いていこうと思います。


・「Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?」 著:原田曜平 (2020/11/20 光文社新書)

 

[目次]

 

本書の要約

 

 日本のマーケティング市場では、次世代の消費者として「Z世代(1990年代中盤~2000年代序盤に生まれた世代)」が注目されている。そんなZ世代を分析してみると、


・生産人口の減少による売り手市場化によって、仕事よりもプライベートを優先するような『チル(まったりする、というような意味)』という価値観が広まっていること
SNSで自分のことを発信したがる欲求、それに伴う承認欲求が高まりつつあるが、ネット上でできるだけ波風を立てないようにする同調志向も垣間見えること
・一人っ子率の増加によって、親に過保護に育てられたことで自意識が高くなっていること
などの特徴が見えてきた。そんなZ世代の特徴を踏まえたマーケティングを行う際に何を重視すればいいのか、過去にZ世代に好評だった商品・サービスに共通していることは何なのか。それらを実際の取材や当時の社会情勢などから分析している。

 

感想

 

 まず、本書で定義されているZ世代の特徴がほぼ自分に当てはまることに驚いた。振り返ってみると、私の余暇の過ごし方は思いっきりチルっているし、発信力・承認欲求共に強いし、自意識も多分高い。バーナム効果だと指摘されればそれまでだが、私もまた典型的なZ世代ということなのだろうか。昔から「周りの人間とは違う」と思っていただけに意外だった。


 本書は、まず前半でZ世代をマーケティング対象に据えることの重要性、Z世代の特徴を述べ、中盤以降はZ世代間で流行ったもの、メディアの使い方、コロナ禍のZ世代、Z世代を引き付けるキーワード等について記載されている。特に、Z世代間で流行ったコンテンツやモノ・サービスを紹介する章では、私の知らない単語や概念が飛び交っていて混乱したほどだ。まあ、私が昨今の流行やトレンドに疎いこと、Instagram・TicTokをやっていないからというのもあるかもしれないが。
 中には「何故こんなモノが流行ったんだろう」と思うものもあった。一歩引いた目で見ればそう感じるモノも、今を生きる若者たちからすれば、そこに「彼らにしか感じることの出来ない価値」があるのだろう。重要なのは、全てを一概に否定しないこと。流行るモノにはそれなりの理由があるはずだ。


 本書は令和の若者を理解する上で重要な参考書になり得る。若者向けのマーケティングを検討している人、昨今の若手社員に対する対応に悩んでいる人にとっては、何かしらのヒントを与えてくれるだろう。


 かく言う私もZ世代の一員である。発信欲求・承認欲求がなければ今頃こんなブログは書いていないし、自意識過剰でなければこんな駄文を世の中に晒す愚行は犯していない。そんなZ世代の私でも本書に書かれていることに全て共感できたわけではない。この激動の時代において、若者のことを理解する難易度は年々難しくなってきているはずだ。それでもお互いにお互いを理解し合うことができたなら、それはビジネスにおいても、交友関係においてもプラスに働くことは間違いない。